蜜柑山の急斜面

日記です。

ペンネーム

来月の朝日新聞折り込みの広告特集で、旅記事を担当しました。問題なく順調に行けば、来月中旬に掲載されるはずです。取材も原稿も楽しくやらせてもらったのですけど、初めて、素の自分と違うモードに切り替えて文章を作る、みたいなことを意識しました。署名のニュース記事を書く時は、曲がりなりにも、自分が「すげえ!」と思ったことだったり、「これマイナーだけどおもしろいから人に知らせたい」と思ったことを、ある程度好きなように書かせてもらっています(直しや削りに不満のある時もありますが)。でも広告記事は、クライアント、媒体、タレントの要求に応えながら、読者にとっての可読性とおもしろさを満たす、ということが必要になる。自分ができてるかどうかは置いておいて、それってすげー技術だと思う。ただし、それを貫こうとすると「批評性」みたいなものが邪魔だと感じることがあって。でも、その「批評性」、言い換えると、物事をどう見るかっていう「センス」みたいなものって、けっこうその人のアイデンティティーだったりするんですよね。そんなちっぽけなものとっぱらってしまえ!とも思うんだけど、それをとっぱらった部分を見られてそれが「私」だと思われるのも正直ちょっと……というわけで、初めてペンネームを使っています。「黒川千」という名前です。下は「千と千尋」方式で、上は実家の近所の地名です(わかる人にはわかりますね(笑))。もしどこかでこの名前を見かけたら、蜜柑山が世を忍ぶ仮の姿でやってる仕事だと思ってください。

私はいちおう文章を書いたり編んだりする仕事をしていますが、作家になりたいとか有名になりたいとかはなくて、どちらかというと、「超絶優秀なテキスト職人になりたい」と思っているので、名前なんてほんと、なんだっていいと思うのですが、でも、「インファナルアフェア」の潜入捜査官みたいにIDを失うのもちょっと怖いんですな。戻ってこれなくなる!みたいな(←大げさ(笑))。少なくとも蜜柑山を知っている数少ないリアルの友人には、黒川千が私だということを知ってほしいなと思って、このややこしいエントリを書きました。自意識ってめんどくさいですね。

「千」なんて名前つけちゃったから、働かないと名前が返ってこないな(笑)。