蜜柑山の急斜面

日記です。

世界の果てからこんにちは

というわけで、1.5日の弾丸ツアーで富山へ行った目的は、SCOTの「世界の果てまでこんにちは」を見ることだったのでした。すごく面白かった。

www.scot-suzukicompany.com

演劇好きのあいだでは花火が上がることで有名な作品で、私は「もし難解でよくわかんなかったとしてもとりあえず花火見れるからいっか〜♪」なんて思っていたのだけど、まさか打ち上がる花火を見て、特攻で散っていったひとや空襲で逃げ惑うひとびとを思わされるとは思ってなかった。死のイメージが胸を衝く。その一方で生きようとする強(したた)かさ。
台詞がいちいち力強く、パンチラインにあふれていて、心のメモをとりまくっていたのだが、「『ニッポンはお亡くなりになりました』の元ネタはマクベスの台詞」と終演後のスピーチであっさり明かされてしまってガクッ。それ以外にも、あれとこれをちょちょっとつないで……なんて。つまり鈴木忠志氏お得意のコラージュと呼ばれるタイプの作品。軽やかさとユーモアと真摯さとケレンとが絶妙にブレンドされて、まるで鈴木忠志そのひとが芝居になったような作品だなと思った。そして、SCOTの役者さんたちの強靭な身体がすばらしく生かされていた。(正直に言うと、去年別の演目を見たときは、すごいけど辛そうだし楽しくなさそう…としか思わなかったのだ)
初演は1991年。鈴木さん51歳、劇団が利賀村へ移って15年のころ。この「世界の果てからこんにちは」は野外劇場で上演されるのですが、池の向こうへ消えて行く花道といい、池の水面に流れ落ちる火の粉といい、プロセニアムをかたちづくる左右の石の壁の質感といい、まるでこの芝居のために作られたような劇場だと思った。「磯崎新ってやっぱすげーなー」(敬称略、小並感)と心の中でぶつぶつ言ってたらなんと磯崎さんご本人が観劇されており、終演後に鈴木さんに促されて舞台上へ。富山県知事とともに鏡割をされたのだった。

 

追記
去年のこの時期に利賀村に行ったときはお銀ちゃんたちが富山に住んでいて、レンタカーを返したあと晩ごはんに付き合ってくれたなーと、なつかしく思い出しました。その節は本当にありがとう。なんだか二人がまだ富山にいるような気がしてたけど、自分が再訪して、もういないんだなって実感したことでした。